SaaS内製論争の第2回
- そーくん
このSaaS内製の話題、第2回ですね。前回は解約の大火傷予告が中心でした。
- ボス
経緯は、日経のSaaSは死なない報道の直後、CRMをClaudeで自作する動きに1年後の大火傷が予告された話だよね。
- そーくん
でも今回は解約か継続か、だけじゃない空気になってますよね。何が変わったんですか。
- ボス
起点は集計期間の直前で、期間の中は実録が増えた。誰が何を書いたか、順に見てみよう。
- そーくん
実録って、作ってみた人の話ですか。予告だけより現場の声が重い気がします。
- ボス
そう。成功談と痛い目が並ぶから、順番を押さえるとあとの議論が読みやすい。
何が起きたか
- 2026-08-13 昼
中島氏が大火傷を予告
ベルフェイス中島氏が、CRMを解約してClaudeに切り替える動きに対し、保守・監査・障害時の責任とAIコスト増で1年後に大火傷すると書いた。
- 拡散の起点2026-08-13 夜
kubellがAPI+内製UIを実況
山本正喜氏が、採用SaaSをAPIの有無で乗り換え、面接官はSaaSのUIを使わず人事の内製UIだけで回していると報告し、全部解約ではない分担論が立ち上がった。
- 2026-08-14 午前
内製して痛い目の実録
Emooove藤澤氏がATS内製の抜け漏れ・障害・セキュリティを長文で公開。Helpfeel CTOはバイブコーディング由来の低品質SaaS惨事を予告した。
主流は全部解約ではない
- そーくん
解約して自作、が主役かと思ったら、主流の見方はもう一段先の整理なんですね。
- ボス
死ぬのはSaaSそのものではなく、画面が主役という前提だ、という見方が厚い。
- そーくん
画面だけ自前にして、裏側は残す、ということですか。全部自作とは違いますね。
- ボス
その分担がいま一番厚い。基幹まで切るか、画面だけか、他の見方との差を見ておこう。
- そーくん
基幹のCRMまで同じ理屈で切っていいのか。そこで見方が割れそうですよね。
- ボス
そこが次の見どころだ。いまどの整理が厚いか、先に本文で押さえておこう。
議論の現在地
- 主流派の視点
- 死ぬのはSaaSそのものではなく「UIが主役」という前提で、保守はベンダー・体験は内製という分担が合理だ、という整理が厚い。
- その他の視点
- CRMのような基幹を解約して自作すると監査と障害で大火傷する、という継続論
- 非エンジニアでもATSが作れる、ただし直し続ける前提が要る、という内製実録
- マクロ属人化の再来、セキュリティ・可用性の大惨事予告
- 目立つ論者
- SaaS経営者(ベルフェイス・kubell)
- 内製を試した事業会社CEO
- SaaS CTO・面接官アカウント
- BtoBマーケ/営業ツール層
空気は前回から逆転した
- そーくん
前回は前向きが42から52パーセントで一番厚かったのに、今回は逆なんですか。
- ボス
いまは否定が38から52パーセントで一番厚い。実録が出て、空気の重心が寄った。
- そーくん
作れる話より、直せない話の方が今回の数字を動かした、ということでしょうか。
- ボス
そういう読みはできる。ただし陣営は3つあって、賛成か反対かの2択ではない。
- そーくん
中立が28から40パーセントもあるなら、勝ち負けより帯の厚みが大事ですね。
- ボス
じゃあ分布を見てみよう。誰がどの帯にいるかを先に押さえるとあとが追いやすい。
世論の分布
意見陣営別シェア(推定レンジ)
Xサンプル上の可視的な言論に占める割合 · 下限—上限
- 保守継続派38–52%
- API分担派28–40%
- 内製置換派14–24%
応援 / なるほど / うーん 集計
陣営をスタンス別に統合 · 全部解約の声は少数。窓内は実録で射程が狭まった
テーブルビュー(グラフと同じデータ)
| 陣営 | スタンス | シェア | 中心的主張 |
|---|---|---|---|
| 保守継続派 | ネガティブ | 38–52% | 作れることと使い続けられることは別で、CRM解約は保守・監査・責任で大火傷する。(@k_nakajima_bell、@akiroom) |
| API分担派 | 中立 | 28–40% | SaaSは死なない。UIだけ内製し、認証・監査・データはAPIの裏側に残すのが現実解だ。(@cwmasaki、@RadineerE10、@emooove) |
| 内製置換派 | ポジティブ | 14–24% | 自社業務に合わないSaaS UIに業務を合わせる方が高く、一定の社内システムは自作できる。(@okapi_fukugyo、内製ATSの実務層) |
解約と非エンジニアで割れる
- そーくん
論争はCRMを切ってよいかと、非エンジニアでも回せるか、の2本なんですか。
- ボス
そう。片方はデータと責任、片方は作れたあと直せない、で噛み合っていない。
- そーくん
同じ内製という言葉でも、どこまで切るかが違うと話がすぐすれ違うんですね。
- ボス
画面だけ残すのか、基幹まで自作するのか、で前提が違う。論点ごとに見てみよう。
- そーくん
作れる側も直せない側も、どちらも実体験を持っているのが厄介なんですね。
- ボス
体験が割れているから終わらない。どこで噛み合わないかを先に見ておこう。
進行中の論争
CRMを解約して自作してよいか
バグ・権限・監査・担当者退職後の保守とAIコストで、浮いた年額は消える。
基幹データはSaaS APIに残し、合わない画面だけ内製すれば業務にフィットする。
根拠: 中島スレの保守リストと、kubell人事のAPI乗り換え実況
非エンジニア内製は実務になるか
入社2ヶ月の採用担当でもATSが形になり、フィットと改修速度はSaaSより上だ。
取り込み漏れや突然のダウンが本業を止め、セキュリティはノリで追えない。
根拠: Emooove長文の成功と障害の両面
主なポスト
編集部まとめ
主戦場は画面と裏側の分担
- そーくん
ここまでの話を踏まえると、全部解約か全部継続か、が本丸じゃないんですね。
- ボス
そう。主戦場は裏側はSaaS、体験は内製、という分担の話に移っている。
- そーくん
前回はSaaSは死なない対大火傷予告、が中心でした。何が変わったんですか。
- ボス
前回は予告と方針の話が厚かった。今回はAPIと内製画面の実況と、痛い目の実録が出た。
- そーくん
空気も、前回は前向きが42から52パーセントで一番厚かったのに、今は逆ですね。
- ボス
否定が38から52パーセントまで厚くなった。作れる話より、運用の傷が数字を動かした。
- そーくん
その否定側、保守継続派の言い分って、要するに作れたあとの話なんですか。
- ボス
作れることと使い続けられることは別だ、と見る。CRM解約は監査と障害で大火傷する、と。
- そーくん
じゃあ中立のAPI分担派は、解約にも全残しにも乗らない、ということですか。
- ボス
SaaSは死なない、と見る。認証も監査もデータもAPIの裏側に残し、合わない画面だけ自前にする。
- そーくん
内製置換派は、合わない画面に業務を合わせる方が高い、という主張なんですね。
- ボス
一定の社内システムは自作できる、という立場だ。三者が同じ内製でも指している範囲が違う。
声が厚い側と実録の条件
- そーくん
なんで分担が主戦場になると、解約派と継続派のあいだに中立が厚くなるんですか。
- ボス
全部切ると責任が残る。全部残すと画面が合わない。どちらも捨てきれない人が真ん中に寄る。
- そーくん
それ、SaaSを売っている側の声が厚い、という注意点とも関係しますか。
- ボス
関係する。この集計ではSaaS経営者の声が厚く、解約して成功した事業会社の一次報告は少ない。
- そーくん
成功した会社は黙って使い続けるから、見える声が片側に寄る、ということでしょうか。
- ボス
世論を見る仕事ではよくある。怒りの予告は拡散しやすく、静かな成功はタイムラインに残りにくい。
- そーくん
それ、まさに今回の大火傷予告が厚くて、成功の一次報告が薄い、という偏りですね。
- ボス
もう一つ。中島氏と山本氏の起点は15時間窓の直前で、窓の中は実録と整理が中心だ。
- そーくん
起点そのものより、あとから乗ってきた実録の方が、この期間の主役なんですね。
- ボス
そう。だからEmooove藤澤氏のATS内製も、条件付きの実録として読む必要がある。
- そーくん
条件付き、というのは会社の規模が小さいとか、そういう留保があるんですか。
- ボス
小規模で、社内利用で、セキュリティ人材がいる。その条件が揃った実録だ。
- そーくん
同じATS内製でも、人材も規模も違う会社にそのままは当てはまらない、と。
- ボス
Klarnaの再契約みたいな海外事例も、この集計では二次引用で、一次確認ではない。
- そーくん
海外の有名どころを、この36時間の証拠みたいに使うのは早い、ということですね。
内製の意味が人によって違う
- ボス
同じ内製でも、基幹を切る話と画面を足す話が混線している。言葉の指す範囲が違う。
- そーくん
なんでCRMを丸ごと切るか、画面だけ直すか、でそんなに話がすれ違うんですか。
- ボス
守るものが違う。監査と障害の責任を持つ人と、現場の画面を使う人では損得が逆になる。
- そーくん
じゃあ今回の分担論は、両方の損を同時に減らす話、ということなんですか。
- ボス
企業向けソフトではよくある。買うものは画面ではなく、壊れたときの責任の置き場だ。
- そーくん
夜中に止まったとき、誰の電話が鳴るか。それが契約で買っている中身なんですね。
- ボス
言われてみれば地味だが、画面の月額より、障害時にベンダーへエスカレーションできるかが本体だ。
- そーくん
じゃあ山本氏のAPIだけ残す話は、責任の置き場はベンダーに残した、ということですか。
- ボス
面接官はSaaSの画面を使わず、人事の内製画面だけで回している。データと認証は向こう側だ。
- そーくん
一方の大火傷側は、浮いた年額がバグと権限と退職後の保守で消える、と見ます。
- ボス
AIの利用料も増える、と見る。画面を安くしても、直し続ける費用が年額を食う、という計算だ。
- そーくん
非エンジニアでもATSが形になる、という実録とは、どこで噛み合わないんですか。
- ボス
入社2ヶ月の採用担当でも形になると見る側と、取り込み漏れや突然の停止が本業を止める側だ。
- そーくん
作れる速度と、止まったときの損失、どっちを先に見るかで結論が逆になりますね。
- ボス
セキュリティはノリで追えない、という指摘もある。権限設計は画面の見た目より後回しになりやすい。
- そーくん
HelpfeelのCTOが予告してた低品質SaaS惨事も、同じ穴を見てるんですか。
- ボス
バイブコーディング由来の低品質SaaS、という予告だ。作る速度が上がると、直す文化が追いつかない型だ。
1年運用が出ると読みが変わる
- そーくん
この読みがひっくり返る条件って、どの報告が出たときが一番効くんですか。
- ボス
CRMを解約して1年運用できた、という一次報告が複数出れば、大火傷前提は揺れる。
- そーくん
逆に、内製ATSの情報漏洩や長期ダウンが出たら、分担論も傷つくんですか。
- ボス
画面だけ自前でも、取り込みや権限の穴は残る。長期停止が出れば、内製体験の側が薄くなる。
- そーくん
大手SaaSが公式に、画面なしのAPI課金へ舵を切ったら、また別ですね。
- ボス
ヘッドレスやAPI課金への一次発表が出れば、分担は例外ではなく商品になる。いまはまだ予兆だ。
- そーくん
あと、この記事は対立がある話題だけを拾ってる、という注意も要りますよね。
- ボス
Xで拡散した出来事の全体像ではない。黙って使い続けている会社は、ここに出てこない。
- そーくん
だから今の否定38から52パーセントも、黙っている層を入れた世論調査ではない、と。
- ボス
そう読む。見える声の分布であって、導入企業全体の賛否を測った数字ではない。
- そーくん
結局、来年まで見るなら、解約の1年運用か、内製側の事故報告か、ですね。
- ボス
そーくんが社内ツールを週末で作る前に、止まった夜中の当番表だけ先に書いておけよ。
- そーくん
まいりましたー。当番表なしで動かすのは、まさに今回の火傷コースでした。
